10年後も着続けたい、着物から作るワンピース | 作り方、魅力など

着物リメイクのセミオーダーサービスを行う「TSURUTO(つると)」です。

私たちは、お客さまからお預かりした着物をワンピースやブラウスなどの新たな衣服に生まれ変わらせる「サイカイの衣」を展開しています。

お客さまからのお問合せの中でも、「着物リメイクでワンピースを作りたい」、「愛着のある着物をワンピースとして生まれ変わらせたい」というご相談は少なくありません。 

本記事ではそのようなお客さまの声にお応えして、「着物リメイクのワンピース」について詳しくご紹介します。キーワードは“10年後も着続けたくなる”ことです。

「10年後も着続けたい、着物から作るワンピース」でわかること

• 着物リメイクワンピースの魅力
• つるとの着物リメイクワンピースの作り方
• 着物リメイクワンピースに向いている着物
• つるとの着物リメイクワンピース事例　など

フォーマルな場にもふさわしい上質感の「着物リメイクワンピース」

着物リメイクワンピースは、1着の着物から作るワンピースのこと。言い換えれば、日本の上質な織り(テキスタイル)を使用した衣服でもあります。

絹の素材感がもたらす上品さは、着物リメイクワンピースでも健在です。職人の手仕事による繊細なうつくしさは、着物をリメイクすることで、カタチを変えて受け継がれます。

何気ない日常の衣服としても、結婚式などのフォーマルシーンの正装としても、着物リメイクワンピースは役立ちます。

「着物リメイクワンピース」の魅力

まずは私たち作り手の視点から、着物リメイクワンピースの魅力をご紹介します。

着物をうつくしいと思っても実際に着ることが少なくなった今の時代、着物を楽しむひとつの方法が着物リメイクです。

実は「着物リメイク」という言葉ができるよりはるか昔から、着物をアップサイクルし、別のものとして活用する文化がありました。当時まだワンピースはなかったにせよ、人々は当たり前に着物リメイクをしていたのです。

今も昔も変わらぬ着物リメイクの魅力は、「着物をあたらしい衣服として着用できること」です。
しかし私たちは、他にも3つの魅力があると考えています。

1. 唯一無二の一点もののワンピース
2. 上質で、高価な着物をワンピースとして装う
3. 家族から受け継がれた着物を10年後も着続けられるワンピースに

魅力1:唯一無二の一点もののワンピース

着物リメイクワンピースの魅力の1つ目は、「唯一無二の一点ものの衣服」であること。

私たちは数十年前につくられた着物をお預かりし、ワンピースを製作します。そのため、同じワンピースは他には存在しません。

丁寧につくられた着物は、いずれも職人の手によるもの。大量生産品ではありません。

このような着物は、年月を重ねるほどに柄や織りのユニークさも増します。大切に着用し続ければ、生地が馴染み、購入当初とは違った味が生まれます。

味わいとユニークさの両方を兼ね備えた着物をワンピースやドレスにリメイクすることで、“唯一無二の衣服”に仕上がります。

魅力2:上質で、高価な着物をワンピースとして装う

着物リメイクであれば、上質で高価な着物をワンピースとして装うことができます。

かつて和装が当たり前だった時代。一般的に着物は、頻繁に購入するものではありませんでした。決して安価ではないため、婚礼や成人などの節目に購入する方が多数派で、着物を家族間で受け継ぐこともありました。

現在、普段着として着物を纏う方はそう多くありません。たとえ家族から受け継いだ大切な着物であっても、袖を通す機会が大幅に減り、タンスの肥やしと化しているお客さまも多くいらっしゃいます。

そのような着物も、アップサイクルをすれば、ワンピースへと生まれ変わります。

昔はハードルが高いと思われていた上質で高価な着物が、手頃な値段で身につけられる時代になりました。

魅力3:家族から受け継がれた着物を10年後も着続けられるワンピースに

私たちは「大切に受け継がれてきた着物をどうにかしたい」というお客さまの着物リメイクをする機会が多々あります。例えば以下のようなご相談が寄せられます。

• 家族が大切にしていた着物を譲り受けたが、なかなか着る機会がない
• 着物をリサイクルに出そうにも気が進まない
• 亡き母、祖母の形見分けで着物をもらった
• かつて祖母から受け継いだ振袖を自分の娘に受け継ぎたい　など

家族や故人の想いが詰まった着物だからこそ、仕舞いっぱなしにしたくはないと考える方は多いです。

また受け継がれてきた着物は、生地や織りも上質で、丁寧に作られていることがほとんど。決して安価な着物ではありません。「着ないから処分する」のではなく、日常的に着られるワンピースなどにリメイクすることで、10年後も着続けられる1着になります。

つるとの「着物リメイクワンピース」の作り方

ここからは、私たちつるとの「着物リメイクワンピースの作り方」をご紹介します。全工程は以下の通りです。

着物リメイクワンピースができるまで

1. 空気にさらす
2. 解き、状態の確認
3. 水に通す（専門的な洗い張りとは異なる）
4. 陰干し
5. シワを伸ばす
6. パターンに合わせ、裁断
7. 縫製

ここからは各工程をご説明しつつ、「私たちが着物リメイクでワンピースを作る上で大切にしているポイント」についてご説明します。

ポイント1:まずは空気にさらす

ほとんど着られず、タンスなどに仕舞い込まれたままだった着物は、防虫剤やこもったような匂いが付着しています。

まずは空気にさらすことで、気になる匂いを取ります。

ポイント2:丁寧な下準備

着物リメイクのワンピース作りは、丁寧な下準備が大切です。工程は、以下の3ステップです。

解き	糸をほどき、反物に戻す
洗い	ていねいに洗い、汚れやホコリを落とす
干し	洗った反物を干して乾かす

 

これら下準備に時間をかけることで、その着物の状態を正確に把握できます。着物を裁断する前に、「生地の傷み」や「落ちないシミ」、「虫食いの跡」を確認することで、古い着物でも無駄なく、着物リメイクができます。

解き・洗い・干しの各工程の詳細は、次項でご紹介します。

ポイント3:着物を解く

私たちがお客さまの着物を解く際、極力ハサミは使いません。誤って布を切らないよう、縫い目の糸をカットする時以外は、手で着物を解きます。

まずは衿と袖を外し、おくみ、脇、背の中心に向かい、縫い目を丁寧に解いていきます。

関連記事：
着物を解くということ

ポイント4:着物を水に通す(洗い、干し)

ワンピースに仕立てる前に、着物を水に通します。縫製前に水に通すことで、「色落ちの有無」や「伸び縮み」などの生地の特性を把握します。
その後、陰干しをして乾かします。

※素材の種類によっては、洗わない方が良い着物地もあります。詳しくは以下をご確認ください。

https://www.tsuruto-online.com/blogs/kimonofuku/22

ポイント5:シワを伸ばす

生地が半乾きになったら、裏面からアイロンをかけてシワを伸ばします。

これらの工程を終えたら、いよいよワンピースに仕立てていきます。

「着物リメイクワンピース」に向いている着物

まず、着物の模様や色合い、織りの生地感は多種多様です。それぞれのワンピースのパターンにマッチする着物で仕立てるのが最適でしょう。

しかし、ワンピース向きの着物には2つの特徴があります。

1. 落ち感が良い(張りが強すぎない)
2. 着用する季節に合った素材

極端に張りのある生地だと、着用時にゴワゴワすることがあります。そのため正絹のような張りの強くない生地で作ったワンピースのほうが、気持ちよく着られるでしょう。

また、着物リメイクワンピースを着たい季節に合わせた素材の着物を選ぶのもポイントです。夏であれば、サラッと涼やかな素材の着物で作るのがオススメです。

「着物リメイクワンピース」のお洗濯方法

着物リメイクワンピースは、日常的に着用する方も多いため、着物と比べてお洗濯の頻度が増えます。

お洗濯の仕方は以下の記事で詳しくご説明しています。

https://www.tsuruto-online.com/blogs/kimonofuku/22

つるとの「着物地リメイクワンピース」制作事例

正絹の紬の着物から、シックな色合いのワンピースに

左：ショルダーギャザードレス｜右：ハクロドレス

 

正絹の柔らかな着物から、模様を活かしたワンピースに

左：タンモノドレス｜右：白詰草のドレス

 

正絹の白を基調とした着物から、日常使いに優れたワンピースに

左：コチのドレス（スリーブあり）｜右：月ドレス（ノースリーブ）

 

正絹の縞模様の着物から、リラックス感あるワンピースに

左：山葵ドレス｜右：コチのワイドドレス

 

「着物リメイクワンピース」で変わるスタイル

古い着物を使用する着物リメイクは、ロングライフデザインのスタイルです。気に入った生地の着物から仕立てるため、移り変わるトレンドに左右される衣服ではありません。

そのため、10年後も着続けたくなるようなエイジレス・タイムレスなデザインのワンピースを作ることができます。

着物リメイクワンピースは着物として着こなすのではなく、新しい衣服として装うのです。

そうすることで、着物地（日本の織物）と様々な衣服とのコーディネートが可能になり、新たな着物の魅力を発見できるでしょう。

つるとの「着物リメイクワンピース」お値段一覧

ハクロドレス	¥25,000
ショルダーギャザードレス	¥23,500
タンモノドレス	¥18,000
白詰草のドレス	¥25,500 ~
トレンチシャツドレス	¥27,500
コチのドレス（シリーズ）	¥26,000 ~
月ドレス（シリーズ）	¥25,000 ~
つぐみドレス	¥26,500
山葵ドレス	¥24,000 ~
茶ハオリドレス	¥37,000 ~

 

※いずれも税別価格です。

※上記価格は23年6月時点のものです。

※上記リメイク料金には、「ほどき」「洗い」「仕立て」が含まれております。着物をそのままお送りいただけます。詳しくは、以下の [キモノフクセミオーダー手順] をご確認ください。

※オプション追加により別途費用が発生する場合がございます。詳しくは各商品ページに掲載しております。

＊シリーズのアイテムには、ノースリーブやロングスリーブ等のご用意がございます。

→ サイカイの衣｜ふたたび、巡りはじめる１着へ

 

 

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