着物リメイクの衣服を洗濯する時の気をつけたいポイント
着物リメイクのセミオーダーサービスを行う「TSURUTO(つると)」です。
突然ですが「着物地でできた衣服を洗濯してはダメ」と思っている方は多いのではないでしょうか?
大切な1着だからこそ、色落ちや生地の風合いの変化、ダメージなど、洗濯への不安が湧きあがるものです。
実は、キモノフク(着物をリメイクした衣服)は洗濯可能です。というご相談は少なくありません。
普段着としての着物リメイク服は、自宅で洗い、シワを伸ばすように干せば十分です。特に湿気の多い時期や汗をかきやすい季節は、定期的な洗濯が必要でしょう。
しかし、正絹のような天然素材の着物リメイク服を洗濯する際には、いくつかおさえておくべきポイントがあります。
今回は、「着物リメイクの衣服の洗濯方法と気をつけたいポイント」をご説明します。
「着物リメイク服の洗濯方法と気を付けるべきポイント」でわかること
- 手洗い/洗濯機など着物リメイク服の洗濯方法と注意点
- ドライクリーニングについて
- 色落ちや型くずれを防ぐ方法 など
着物リメイク服 3つの洗濯方法
着物地からつくられるキモノフクは、新品ではないにせよ天然素材を使用した衣服。
しかし「着物だから洗濯することができない」ということはありません。着物リメイクの衣服の洗い方は、主に3つあります。
- 手洗い
- 洗濯機
- ドライクリーニング(クリーニング店)
各洗濯方法について、詳しくご紹介します。
洗濯方法1:手洗い
お手軽度 | ★★☆☆☆ |
所要時間 | 15〜30分 |
準備するもの | 水、中性洗剤 or 重曹 (※素材によって異なる) |
時間と手間はかかりますが、ご自宅でできる一番安心な洗濯方法が「手洗い」です。
手洗いの手順
- 衣服を裏返す/li>
- 押し洗い
- すすぎ洗い
- 水気を絞る
まずは衣服を裏返しにして、軽く押すように洗います。このとき、素材の特性に合わせて、水洗い or 中性洗剤 or 重曹のいずれかを選択しましょう。衣服がさほど汚れていない場合は、5分程度押し洗いすれば充分です。
その後、衣服をたたみ、水を替えながらすすぐように押し洗いを行ってください。
適度に洗ったら、衣服の水気を軽く絞ります。着物によって丈夫さも異なるため、その生地に合わせて脱水してください。タオルなどで衣服を挟むようにして水気をとるのがおすすめです。
着物リメイク服を手洗いする際の注意点
着物の染色方法や年代によっては、洗濯時に生地同士が重なることで色移りが生じる可能性があります。心配な方は、水通しを避けるのがベストです。
洗濯方法2:洗濯機
お手軽度 | ★★★☆☆ |
所要時間 | 30〜45分 |
準備するもの | 洗濯機/洗濯ネット/水、中性洗剤 or 重曹 (※素材によって異なる) |
手洗いができない時は、「洗濯機」で洗うこともできます。
手洗いの手順
- 衣服を裏返す/li>
- 衣服を洗濯ネットに入れる
- 洗濯機の「ホームクリーニング設定」で洗う
- 水気を絞る
キモノフクを洗濯機で洗う際は、おしゃれ着を洗うのと同様に洗濯機の「ホームクリーニング設定」を推奨します。洗濯による生地ダメージを抑えるため、必ず衣服を裏返し、洗濯ネットを使用します。衣服の型くずれを防ぐため、洗濯ネットは目の細かなものを選ぶのが◎
洗濯機でも手洗い同様、水洗い or 中性洗剤 or 重曹で洗います。 必ず素材に合うものを選び、洗濯しましょう。洗濯終了後に、洗濯機の中に放置すると色移りの原因になるため、すみやかに干すようにしましょう。
着物リメイク服を手洗いする際の注意点
洗濯後の色合いの変化が気になる方は、できるだけ水洗いでのお洗濯をオススメします。
また使用する中性洗剤は、漂白剤入りの洗剤を避けましょう。
洗濯方法3:ドライクリーニング
お手軽度 | ★★★★★ |
所要時間 | 数週間程度 (※店舗によって異なる) |
価格 | 数千円〜 |
着物地の衣類をお持ちの方が最初に思いつく洗濯方法が、クリーニング店の「ドライクリーニング」です。
ドライクリーニングとは
その名の通り、水を使わないクリーニング方法です。有機溶剤を使用し、汚れを落とします。このことから、油汚れなどの落ちにくい汚れやシミのある衣服のクリーニングに適しています。
洗濯機を用いた水洗いとは大きく異なるため、着物地を含むデリケートな素材を洗うのにも向いています。
着物地は必ずしもクリーニングに出す必要はない
お客さまから「着物リメイクの衣服はクリーニングに出した方がいい?」とよくご相談があります。しかし率直にいえば、必ずしもクリーニングに出す必要はありません。
しかし、正絹など素材を自宅で頻繁に洗濯することは、生地ダメージの観点からあまりおすすめできません。秋冬など汗をかきにくい季節は、洗濯回数をできるだけおさえ、気になる際クリーニングに出すのが良いでしょう。
その際は、必ず「着物リメイクの衣服」であることをクリーニング店に伝えておくと安心です。
着物リメイク服の干し方
ここからは着物リメイク服の干し方のご紹介です。自宅で手洗いor洗濯機洗いをし、干す際の手順をご説明します。
まず、洗濯後はできるだけ早く干します。干す場所は、直射日光の当たらない場所での陰干しが望ましいです。
物干し竿やハンガーにかけたら、他のおしゃれ着を干す際と同様に、生地のシワを手で優しく伸ばしましょう。
それでもシワが気になる場合は、干す前に生地の裏側から中温のスチームアイロンを当てます。こうすることで乾いた後もシワが残りにくくなります。
着物リメイク服を干す際の注意点
着物地の染色方法によっては、洗濯後に色移りしやすいものがあります。そのため干す際は生地同士が重ならないよう注意してください。
着物リメイク服の洗濯時に気をつけたいこと
着物リメイク服の中には、天然素材でできているものもたくさんあります。そのような衣服を初めて洗濯する際、気をつけなければならないことがあります。
それは以下の点です。
- 色落ち
- 色移り
- 型くずれ・やぶれ
色落ち
着物リメイクの衣服を洗濯する際、使用する洗剤を誤ると激しく色落ちすることも。特に漂白作用が強い洗剤は、色落ちの原因になります。
ご自宅での洗濯時、洗剤を使用する際は重曹や中性洗剤を選びましょう。中性洗剤の中にも漂白剤が含まれるものがあるので、洗濯前に確認しておくと安心です。
色移り
洗濯機で着物地と他の衣服を一緒に洗濯することで、色移りしてしまうことがあります。白色や淡色の衣類とは一緒に洗わないことを強く推奨します。
型くずれ・やぶれ
着物リメイクに使用する着物は、正絹や綿、ウール、麻などの天然繊維を使用しています。中でも薄い着物地を使用した衣服は、とてもデリケート。洗濯・乾燥の各工程で配慮を怠ると、型崩れややぶれの原因になってしまいます。
これらを防ぐには、洗濯後の無理な乾燥は厳禁です。洗濯後、生地からの水滴が気になる場合は、バスタオルなどに挟み、軽く抑えるようにして、水気をとります。
物干し竿などに濡れた着物地をかける時もコツがあります。生地のシワは無理に伸ばさず、適当な箇所をやさしくつまみ、伸ばします。こうすることで乾燥時のやぶれを防げます。
干す際は衣類の大きさにあったハンガーを使用したり、平干しをすることで、型くずれを防止できます。
着物リメイク服を長く着用するために
ここまで、着物リメイク服をより長く着用するための「適度な洗い方」と「丁寧な扱い方」をご紹介しました。この記事を通して、キモノフクに興味があるけれどメンテナンスに自信がない方の不安が軽くなったら、とても嬉しく思います。
この記事で私たちが最後にお伝えしたいことは、”着物リメイク服は経年変化も含めて長く楽しめる”ということです。
まずは大切な人から譲り受けた着物を、お気に入りの着物リメイク服に仕立てることで、この先何十年にも渡り、長い期間装うことができます。
そして最初は張りがある着物リメイク服も徐々に変化します。洗濯を重ね、長く丁寧に着用していけば、しだいに身体に馴染む生地感、風合いの衣服に仕上がってゆくのです。
唯一無二のキモノフクは、生地の経年変化を楽しみながら、時間と共に完成するものです。
現在はヴィンテージやアンティークの風合いを求め、あえて新品に加工を施す人もいます。しかし加工などしなくても、長く1着と向き合い続ければ、自然と良い風合いが漂う”年代物の着物リメイク服”になるのです。
私たちは、持ち主が洗濯などの日々のお手入れも含めて楽しむことは、衣服にとっても喜ばしい時間だと考えています。ぜひメンテナンスを通してお気に入りの1着と向き合ってみてくださいね。
つるとにて、着物リメイクのセミオーダーをオーダーしてくださった方々全員に、着物リメイクアイテムの「お取り扱いについて」リーフレット をお配りしてます。
リーフレットには、キモノフクを長く楽しんでもらえるよう、セミオーダーしたお客さまのお着物のケア・メンテナンスについてご案内しております。
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